新しい価値が潜んでいる素材

上本町T邸現場では、今回突き板の落ちを使っています
これは、突尻板と言って、数年前のミラノサローネで、トリエンナーレデザインミュージアムに出展したスツールの材料にも使用しました
写真はTVボードの扉材として。
ひとつ目は、テレビボードに。
岩肌の様なナチュラルな石張りの壁面だったので、木材を切り出したままの様なデザインになるように、天板と側を厚単板突き板材を使い、扉を同材の突尻板を使っています

厚単板の突き板には、自然な切り出した表情を出す為、ラフソーン加工を施しています

勿論わたしが言ってる訳ではないですが、造作のカリスマと言われる由縁は、外部のconceptやデザイン性を保ちながら、通気口や配線経路を含めた内部の収納構造設計の巧みさを評価して下さってのことみたいです

私自身は、此方に関しては、20年目で、やっと自然に取り入れている様な感覚なのですが、これまで試行錯誤がありました

最終的には、未来、住まわれるお客様が今後未来に、快適に使える様にする為の設計にしていったら、いつの間にかこの方法が解決法で、自然と収納が取り入れやすい快適さが、この設計だろうと思って、いつも考えている結果なので、そんなに難しく考えているわけではありません

どんなにカスタマイズしたとしても、エンドユーザーさんが、将来困ってしまうようでは、そんなにいいデザインでは無いと思うのがわたしの心情で、デザインは、見せびらかす為のものでは無く、あくまでも、お客様が望む未来を創って行く為のサポートになるものだと考えています

デザイナーって、勘違いされやすいですが、あくまでも自己アピールの為の派手な職業ではなく、地味で裏方ですが、ユーザーさんの未来を創造でき、サポート出来る素晴らしい職業だと思っています

此方のお施主様の未来の暮らし、快適な暮らしと、満足感がある空間演出ができればと考えました

話が造作デザインに飛んでしまいましたが、

元に戻すと、

扉を切りだした角材の様に見せるため、AV機器を収納する部分もガラス等の扉ではなく、

角材の自然な風合いが出る様に、ストレートな材で扉を製作してもらいました

内部に収納するAV機器にもリモコンが効く様、赤外線リモコンリピーターを設置しています

(実はこのリモコンリピーター、これまでに造作デザインさせて戴いたリピーターのお客様から制作の時に教えて戴いたアイテムで、それから幾度となく提案させて貰ってます)

それによって、突き尻板の一枚板をストレートに使用できました

工場に行くと、これからの未来の材料、突き尻板が並んでいます
ここに都市鉱山が潜んでいるんです
十数年前までは、銭湯などに薪として売っていたそうです
しかし、突き尻板って、銘木ばかりなんです(>_<)

それを、十数年前迄、焼いてしまっていたなんて…

今でも、稀少価値のホントに高い、今では輸出入も出来なくなった、シタンやコクタン等も埋もれています
あなたが求めている、幻の材料も、ここに眠っているかもしれません

譲って貰えるかどうかは、交渉次第…


今日は、新しい価値が潜んでいる素材のことを書いてみました

みなさんのデザインの幅が広がります様に。

dewa dewa...